目次

共同研究について

当研究室と共同研究をしてくださる研究者や企業等の方は,メール等でお気軽にコンタクトをください。ただし,トラブルを防止するために,共同研究の依頼・相談をされる場合はご連絡いただく際にその旨を明記するようにお願いします。

当研究室が提供できるもの

共同研究の際に当研究室が提供可能な貢献の例を以下に示します。

  • 統計分析に関する知識・技術の提供
    • 伝統的な頻度主義統計学,ベイズ統計学,統計モデリングなどを含む。
    • 研究分担者 (非筆頭著者) としての統計分析の仕事を依頼される際は,後述の「統計分析の仕事 (研究分担) の依頼について」もお読みください。
    • 「分析結果が統計的に有意にならなかったのでどうにかして有意にしてほしい」といった,研究不正の幇助を求める依頼はお引き受けできません。
  • 主に心理学分野における仮説を検証するための研究計画の立案とデータの収集
    • どちらかといえば観察研究よりも実験研究を得意としています。
    • 実験室実験だけでなく,lab.jsを用いたオンライン実験に関するノウハウも提供できます。
  • 当研究室がこれまでに行ってきた研究に関連する知識・技術の提供
    • 具体的な内容については研究業績等をご覧ください。
  • オープンサイエンスに関する知識・技術の提供。
産官学連携研究について

当研究室は産官学連携にも関心があります。大阪公立大学の産学官連携推進制度を利用して,共同研究・受託研究・教育研究奨励寄附金などの形で研究を行うことができます。

オープンサイエンスの方針について

当研究室ではオープンサイエンスを重視しています。具体的には,

  • 研究プロトコルの事前登録
  • プレプリントの公開
  • 生データの公開
  • 分析スクリプトの公開

などの,研究の透明性を担保するための実践を積極的に行っていく方針を採っています。当研究室との共同研究をご希望の際はこの点をご理解頂きますようによろしくお願いたします。この中でも特に,当研究室では生データの公開を最も重要視しています。もちろん,個人情報や企業秘密を含むデータを扱う場合など生データの公開が現実的に困難な場合もありますので,そういった場合には柔軟に対応します。例えば,生データを公開できない場合でも,生データを模したダミーデータと実際に分析に使用した分析スクリプトを公開することで,研究の透明性をある程度担保できる場合があります。研究の内容や扱うデータの性質に応じて現実的な落としどころを考える必要がありますので,この点に関してはなるべく早期にすり合わせをさせてください。ただし,一般的な心理学の基礎研究で,データを公開できない明確な理由が存在しないにもかかわらず生データの公開を拒否される場合には,共同研究をお断りさせていただく場合がございます。オープンデータに関する当研究室の考えは武藤 (2022) に書かれています。なお,研究不正 (QRPを含む) を行うつもりのある方とは共同研究はできませんのでご了承ください (当たり前のことではありますが,特にQRPに関しては未だに不正と理解せずに行っている研究者を見かけるため,あえて明記しました)。

オーサーシップについて

当研究室のメンバーが参画した共同研究の成果を学会や学術誌等で発表される際には,当該メンバーの貢献を適切に評価したうえでオーサーシップ (著者名または発表者名のクレジット) を与えていただくようにご留意願います。当人がオーサーシップを自ら辞退した場合はこの限りではありませんが,当該メンバーが実質的な貢献をしたことが客観的に明らかであるにもかかわらずオーサーシップが与えられないといった事態は避けていただきたいと思います。私自身,研究に実質的な貢献をしたという自認があるにもかかわらず,その研究に関する論文がいつの間にか私の名前抜きで出版された経験があるため,トラブルを回避するためにも,オーサーシップに関しては研究のなるべく早い段階で相談させてください。特に,当研究室のメンバーに研究に関する仕事を依頼される場合は,それが共同研究者としての仕事なのかそうでないかを可能な限り明確に示して頂けますとありがたく存じます。不明瞭な場合には,こちらから確認させていただいたうえでお引き受けするかどうかを判断させていただきます。

事前の研究倫理審査について

人や動物を対象とした研究を行う場合には,研究実施前に倫理的な問題を十分検討し,研究倫理審査委員会の承認を得る必要があります。共同研究においても,この点をご理解くださいますようお願いいたします。

この点を明記した理由は,特に異なる分野の方と一緒に仕事をする際に,研究倫理に関する認識に齟齬が生じる場合があるからです。たとえば,「心理学では事前に倫理審査が必要だが,〇〇学では不要である」とか,「〇〇学では研究開始後に倫理審査を受けるのが一般的で,事前の申請は不要」といった説明を受けたことが実際にあります。しかし,倫理審査の目的は,研究対象者のリスクを事前に評価し,潜在的な不利益を未然に防ぐことです。研究対象者にとっては分野の違いは関係がなく,倫理的な基準が分野によって異なることは正当化できません。ほとんど同じような調査なのに,心理学では倫理審査が必要だが〇〇学では不要,とみなされるのだとしたら大問題です。

研究分野によって研究手法やリスクの程度は異なるため,現実的には各分野の慣行や専門知識に基づいて倫理審査が行われます。しかし,このことは,研究分野によって倫理審査の基準や必要性が異なっていてもよいということを意味しません。実際,研究倫理審査委員会は複数分野の研究者で構成されるのが一般的ですが,これは,研究倫理が本質的に分野横断的に検討されるべきものであることを反映しています。研究分野間での手法や慣行の違いを理解し合うことは大切ですが,研究倫理は分野固有の問題ではないため,「分野の違い」を理由にリスクを軽視することは受け入れられません。

既存のデータの二次分析など,研究手法によっては事前に承認を得ることが難しいケースも存在します。そのような場合でも,研究に倫理的な問題がないことを十分検討し,研究対象者のリスクを最小化できるよう努めてください。必要に応じて事後に倫理審査申請を行うことも検討します。

最後に,論文等で研究成果を報告する際には,研究の透明性を担保するために,倫理審査委員会の承認を得たという事実に加え,その承認が研究の実施前・実施後のどちらに得られたかについても明記するという方針に同意いただきたく存じます (この点に関する意見論文のプレプリントはこちら)。

統計分析の仕事 (研究分担) の依頼について

当研究室はしばしば統計分析の仕事を引き受けることがあります。実際に,武藤がこれまでに統計分析を担当・監修した共同研究のいくつかは共著論文として出版されています。このような共同研究の依頼はもちろん歓迎しますが,特に分担研究者 (非筆頭著者) としての統計分析の仕事を依頼される際には気を付けていただきいことがいくつかございますので,以下の内容をご確認ください。ただし,当研究者のメンバーが筆頭著者となる研究や,共同研究としてではなくコンサルタントやアドバイザーとしての仕事を依頼される場合にはこの限りではありません。

  • 研究分担者として適切なデータ分析を行うためには,データの詳細だけでなく,その分野のドメイン知識や慣例,研究の背景,研究代表者 (筆頭著者) が持つ仮説・信念などの情報が必要となります。ですので,統計分析の仕事を行う際は,これらの情報について研究代表者に適宜確認をしながら分析の方針を決めさせていただくプロセスが必須となります。研究分担者としてのデータ分析は,研究代表者との十分なコミュニケーションなしには行えません。分析担当者が最善を尽くしたとしても,研究代表者とのコミュニケーションに齟齬があれば,その成果が信頼できないものになってしまうリスクが常にあります。「データさえ渡せばあとは分析担当者がすべて何とかしてくれる」とか「データ分析に関する責任はすべて分析担当者にある」といった考えのもとで研究分担者として統計分析の仕事を依頼するのはお控えください。
  • 共同研究の場合は統計分析の仕事の依頼を単なる仕事の「外注」と捉えるのではなく,分析担当者がどのような分析を行ったのかに関心を持ち,自分で勉強するなどしてその中身を理解しようとする姿勢を示し,目的との齟齬があった場合にはきちんと指摘をする心づもりをして頂けると,私たちは気持ちよく仕事ができます。統計分析の内容をすべて完璧に理解する必要はありませんが,少なくとも分析の目的や前提として置かれる仮定,分析結果の実質科学的な意味などに関しては,研究代表者も理解していなければならないと私は考えています。「群盲像を撫でる」に陥らないために,研究代表者は研究の全体像を捉え,きちんと説明責任を果たせるように覚悟するべきでしょう。ちなみに,このような覚悟は統計分析の仕事の分担に限らず,異分野間での協働一般において不可欠であると私は考えています。
  • 統計分析は高度な知識を要求する専門技術の一種ですが,その貢献を過小評価されることがしばしばあります。たとえば,研究に十分貢献したにもかかわらず,本質的な貢献とはみなされずオーサーシップが与えられないとか,まったく面識のない人から統計分析に関する不躾な質問をされ,回答しても感謝の言葉すらない,といったことがあったりします。一見簡単そうに見える分析であっても,責任を果たすためにきちんと裏どりをしようとすると多大なエフォートが要求されることは珍しくありません (質問への回答でも同様です)。また,統計分析の結果を論拠とした結論は,統計分析の使い方を誤れば容易に覆ってしまうことを踏まえると,統計分析はむしろ研究の根幹をなす重要な仕事だと私は考えています。統計分析の仕事をご依頼の際は,このような事情をご理解いただけますとありがたく存じます。また,統計分析に関する専門技術を「安売り」することは,同業者(特に若手研究者)の仕事の価値を下げることに繋がりかねませんから,仕事をいただく際には,プロの研究者としてそれ相応の対価(オーサーシップ・研究費・報酬など)を要求させて頂きます。仕事の対価は依頼の内容にもよりますし,仕事そのものが分析担当者にとってメリットとなる場合にはほとんど対価なしでお引き受けすることもありえますが,対価以上の仕事を求められた場合にはお断りさせて頂く場合がございます。
このページの作成日:2025年4月1日
このページの最終更新日:2025年8月14日